追加 Rev.1 2021/11/01記 No.964にほぼセンタームーンの写真等に正確な位置をプロットした記事を掲載しました

No.882「今年のセンタームーンを撮ろう」に示しましたように2021/10/24 02:20頃にセンタームーン。その時刻の4時間ほど前の月になりますが撮っておきました。月を顔に例えれば、眺めている私の方に真正面の顔を見せてくれる数少ないチャンスなのです。

あわせて、月齢が17.0ですので月面文字”K”とオニール橋の様子も観察してみました。

(1) センタームーンの撮影

以下は10月23日22:04の写真です。月面の経度および緯度ゼロの場所が真の中心、中央の暗い時計回りに45°回転した”C”のような文字の下先端部分の位置にそのゼロ地点があります。

見かけの中心は写真の中では月周辺線で描かれる円の直径の1/2の位置に相当する位置になります(影の部分も含めた直径)。と言っても見た感じで見かけの中心はここだと指摘ができません。シミュレーターを使用して表示するとなるほどと感じます。この写真ではほぼセンタームーンですので真の中心にかなり近い位置にあります。

ステラナビゲータによるシミュレーションでは見かけの中心と真の中心が表示できます。上記写真および約4時間後に最も近づくとされる二つの中心画像を以下のアニメで示します。月面画像は地球上の観測位置から見える表示になっています。

10月24日02:20では真の中心と見かけの中心が一致しています。黄色の丸印が真の中心、赤色の丸印が見かけの中心です。4時間前はわずかにずれています。くび振りが大きい場合は見かけの中心はもっとずれ、例えば”C”の文字の下先端ではなく上先端近くまでずれることがあります、ずれの大きさ4時間前の画像の場合に比べて7,8倍程になります。満月ならば裏側が少し見えるくらい。それらと比べれば4時間前の写真はほぼセンタームーンなのです。

参考に測心ではなくて地心秤動になってしまいますが経度および緯度のずれを示します(画像は測心秤動ですのでその数値と対応しません)。10月23日22:04で0.5°, -0.0°、10月24日02:20で0.2°, -0.3°でした。(追記:ほんのり光房様では「見事なセンタームーンでした」と題し、今回のセンタームーンと呼べる、真に約4時間後の写真が載せられていました。)

(2) 月面文字”K”と”オニール橋”の写り具合

焦点距離を変えたりして月面Kとオニール橋を見ましたが、太陽光の射し方が不十分でNo.943よりも目立ちませんでした。黄色で形を補いましたが、原画像では橋にも見えないし、K文字も気が付きません。それだけタイミングが微妙な現象と実感します。

以下に撮影した画像を示します。もう少し月齢が必要。昨日もほぼ同時刻に観察したのですが月齢18.1で既に影の中で見えませんでした。