久しぶりの撮影です。地上軌跡は日本海から鳥取、大阪を通過し三重尾鷲から太平洋へと抜けるコースです。関東横浜からは遠いのですが高度は50°、最短距離は542kmとの予想でしたので挑戦しました。現在のISSの姿はNASAページ「iss_12-08-21.jpg (1280×720) (nasa.gov) 」(本記事の最後にその図を載せておきます)によれば進行方向にクルー3ドラゴン、後方に地球側にソユーズMS-19、その隣NAUKA部分の宇宙側にソユーズMS-20が一日前にドッキングしたばかりで、前澤友作さんがISSに移っています。

ISS拡大撮影の画像を見て、望遠鏡のような解像度には無理がありますが、姿勢、太陽との関係、撮影方向などから主要部分の見え方を確認したりして楽しんでいます。

(4K動画)

まずは当日の動画から。COOLPIX P1000 ISO-800 f/8 3,000mm 1/640秒/Frame 4K動画で追跡録画。1/800秒にするかどうか悩みましたが明度がかなり小さいようでしたのでISO感度よりもシャッター速度1/640秒の方を採用しました。結果的に成功しました。

それにもかかわらず低い高度から光を認め、一旦息をつく余裕もあったりして、北西から昇り南東に遠ざかるまでの4分間、ほとんど外さず捉えられました。その中から、最高高度に到達した時点(横浜では17:39:09)から約90秒間の映像を15秒に縮めて6倍速再生にまとめ動画1として示します。はじめに高度が下がるに連れてISSが大きくなるように見えましたのでカメラの時間設定を確認しましたが、ずれはゼロ秒でした、またHeavens-AboveやStella Navigator 11で通過時刻も再確認しましたが同様に問題なしでした。

動画1 ISS拡大撮影 2021/12/09 17:38:56~17:40:26(ファイルデータより)

映像をよく見ると太陽電池パドルが最高高度に達するまでほとんど見えていないことに気が付きました。これがISS大きさ認識の勘違いの原因と思われます。ISSは自分で光を発せませんのでちょうど太陽の逆光になり影になっていたためと考えられます。南下すると共に姿勢が相対的に変わりますので太陽の反射光がこちら側に射すようになり電池パドルが現れました。先頭の白い突起がクルードラゴン、隣に「きぼう」、それに「きぼう」側の太陽電池パネルにはiROSAらしき特徴が見えているようにも思えます。ソユーズMS-20は地球側と反対の宇宙側にありますので見えていません。

この映像から、静止画を取り出しました。一つは3秒間隔でスタック処理、これは以前No.800No.689でも触れていますようにこの拡大率では3秒以内では姿勢に大きな変化として現れないため単一フレームと似たような画像になります。もう一つは1フレームで好みになりますがクリア画像を選んだものです。

(AutoStakkert!3による処理)

最高高度到達時から南下するまでの約90秒間の映像から3秒間のフレーム(最大は3秒間分の90枚ですがブレ等は外しますので30枚から70枚が現実的です)を連続して機械的にAutoStakkert!3でスタックした画像を時系列に並べ図1にまとめました。並べ方が観察した見た目と逆で左から右へと時間が進んでいます。進行方向は左です。今回は経過時間と共に距離は離れ高度は低くなりますが太陽電池パドルがクッキリしてきてISSらしい姿を見せてくれました。

図1 3秒間中のフレームをAutoStakkert!3で処理。

(ベスト単一コマ・フレームの取出し)

個人的に最もISSらしい一枚単位の画像を選び出し図2に示します。並べ方は図1と逆で、観察の見た目どおり右から左に時間経過も進行方向も同じです。

図2 動画からベストフレーム・コマを取出した写真

最後になりますが各画像で何が見えているかと楽しむための参考としたNASA公開の当日のISSの構成、姿を図3に添付します。

図3 ISSの2021/12/09時点の構成。NASA(https://www.nasa.gov/)のISSページから。