No.961 こんな月の写真撮れたら面白い (満月との合成画像 – 遊びです -)では最近撮影した上弦過ぎの月と満月の写真を合成し、平面的でなくクレーターも立体的に見えるようにしました。こんな風に見えたら良いなぁと。一見、一枚の写真のように見えるのですが、拡大したりすると、例えばプラトー・クレーターが相対的に虹の入江よりも下にあり、少し変だ、二枚の写真がずれて重複していることがわかります。合成写真ですのでこだわる必要もないのですがこの種の合成写真に出会うとほとんどは細かく見るとズレている写真が多いです。

これは月のくび振り運動(秤動)により月の向きが異なるためです。月に詳しい専門家から見てもそれらしい写真(だますのではなくて幻想的な月を写真表現にしたいだけなのですが)にするためにはその秤動が同じであればもっともらしい写真になると考えられます。しかし、現実に秤動が似たような半月と満月の写真を選び出すのは極めて難しいように思われます。

今回、現在から2023年までの、その合成写真作成に相応しい半月と満月の撮影日時の組み合わせを計算していただきました。計算は「ほんのり光房」(久保庭敦男様)によります(いつもながら感謝しています)。過去の写真を整理抽出したりすれば、半月でなくても異なる月齢の時の写真と満月の秤動がほぼ合致する例があるのでしょうが、かなり面倒な事です。ここでは将来に向けて、上弦の月(月面文字LOVE_Xにも近いし)との合成ケースのみです。

解析結果は上弦の月の日時とその時の測心秤動に近い満月の日時をリストにしたもので記事の最後に載せておきます。月齢の選定は重ね合わせた時に見映えが劣らない範囲は許容しています。測心秤動は個人としての利用になってしまいますが横浜の場合です。それでも結果は近隣県であれば誤差が小さいと思われますので参考にはなると思われます。表形式でしたが本記事中にはJPEGに変換し載せました。

上記No.961の写真のケースを含めてこのリストの中から任意の2ケースを選んでStellaNavigator11でシミュレートし確認しました。画像は上弦の月を赤、満月を青にして重なり程度がわかるようにしました。

ケース1 半月2021/10/14 18:13 月齢7.9、満月2021/10/20 19:14 月齢14 → 実際に撮影した写真の組み合わせでもあります。

ケース2 半月2022/01/10 20:11 月齢7.7、満月2022/10/09 21:20 月齢13.6

ケース3 半月2022/03/10 23:05 月齢7.9、満月2021/12/19 19:08 月齢15.1

以下は各ケースについて二枚の月面画像を加算平均した合成画像です。拡大するとケース1では赤と青のずれが見えています。一方、ケース2およびケース3は見た目は画像のずれはないように見えます。ケース2およびケース3の結果のみではありますがリスト上の選択日時の月が撮れれば似たように想像している月の合成画像が得られるはずです。

ケース1の画像

 

ケース2の画像

 

ケース3の画像

以下、そのリストを示します。そんなに長いリスト(画像ですが)ではないので拡大表示して見られます。解析によれば先月2021/10/12の上弦と2021/10/20の満月の組み合わせの場合、ずれがほとんどない画像が得られたとのことでした。なんとケース1の撮影写真は偶然にもそれに近いチャンスでしたが、撮影したのは上弦後の10/14で、2日ズレてしまいました。しかしそれでも結果は上記ケース1シミュレータ画像または実際の画像のとおりずれがわかってしまいます。

月齢に拘らずに満月との組み合わせはありますが、やはり、上弦か月面LOVE&Xの組み合わせを実現したく日時を意識しながら撮影ができればと思っています。最も早い場合は今年の12/19か12/20に満月を撮っておき来年の03/10か03/11に上弦の月を撮れば目的を達成できる可能性があります。もちろん晴れなければ実現しません、だいぶ時間がかかりそうですが、楽しみでもあります。以下、久保庭様からいただいたリストです。感謝致します。