追加します。坂井美晃様から40cmドブソニアンのISS写真を見せていただきました、下記コメント欄の掲示板リンク先をどうぞ。千葉県と神奈川県の場所の違いだけで、ほぼ同じ角度からの撮影なので、比較標本としていつも参考にさせていただいています。

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昨日、横浜上空ではISSが18:54と20:30頃に2回まわってきましたので撮影を試みました。
1. 18:54頃 最大高度42°の拡大撮影と光跡撮影 焦点距離3,000mmと7.5mm
2. 20:30頃 高度9°の月齢4.0接近通過の光跡撮影 焦点距離600mmと50mm
結果は以下のとおりです。

1. 18:54周回時の撮影

光跡写真を図1に示します。構図として山なりにしたかったのですが、魚眼レンズのため上に向け過ぎたのでしょうか、へんな曲線軌跡になってしまいました。オリオン座、シリウス、プロキオンを通過し、しし座を過ぎた辺りで地球の影に消えました。

図1 EOS-M6 7.5mmレンズ 2021/03/17 18:51:45~18:59:10の10秒間の露光2秒間隔の繰り返し、ISO-400 F5.6 38枚の比較明処理

拡大撮影を図2に示します。高度42度以下ですので楽な姿勢で長時間ファインダー内にキープ。ピントは月や恒星で合わせましたが像がはっきりしません。

図2 2021/03/17 18:56 最大高度付近 COOLPIX P1000 ISO-800 1/800秒/1フレーム 3,000mm相当 f/8.0 4K動画から5フレーム抜粋 4倍に拡大

2. 20:30周回時の撮影

月齢4.0の接近通過です。撮影条件には迷いました、ISSはHeavens Above(図3)によれば韓国の左側の黄海上空ですからとんでもない距離です、ISSと月の明るさのバランスが気になってしまいました。

結果は以下のとおりです。目視では全くISSの光を感じませんでした。

最初にCOOLPIX P1000の600mm相当の画像を示します。ISO-3200 f/5.0 600mm(35mm換算) 1/30s/Frame 4K動画。撮影条件はその場で試撮しながら決めました。図4に4K動画から600枚を取出し比較明処理した画像を示します。図5はそれらのフレームを画像処理してISSを浮き出させて比較明処理した画像です。

EOS-M6 焦点距離55mmの写真も載せておきます。原画像(図6)と処理画像(図7)のどちらも月は写ってもISSは見えませんでした。

(ISSの写っていることの確認)

ISSの通過時刻を間違ったと思ってしまいましたが、月の真上は20:30:13通過(ISS TRANSIT FINDERとステラナビゲータの両方)と確認していましたので、念のため、当該時刻近くフレームを取り出し、強烈に明るさ、コントラストを調整したところ写っていることが確認できました。4K動画の撮影開始が20:30:01ですので、写野(左端)に入りだしたのが124フレーム目、月のほぼ真上を通過したのが345フレーム目でした。それぞれ、撮影開始から4.1秒、 11.5秒です。月の真上は20:30:13ですからピタリです。

図3 2021/03/17 20:30頃のISS地上軌跡 Heavens Aboveによります 点線は地球の影に入るため見えません

 

図4 2021/03/17 20:30:02~20:30:22 4K動画から600フレーム取出し、比較明処理 COOLPIX P1000 ISO-3200 f/5.0 1/30s/1Frame 4KManual

 

図5 上記図4の全フレームをISSを浮き出すために画像処理後、比較明処理 DeNoiseAIで粗さを少し解消

図6 EOS-M6 55mm

 

図7 上記図6の画像を明度、コントラスト調整