CSS(天和:Tiangong)が下記備考欄Heavens-Aboveのデータが示すように木星を接近通過後、火星にも接近通過しました。撮影時は日没後30分を経過しましたが、まだ空は明るく、木星と火星は見えましたがCSSの光は目では捕捉できませんでした。

見えない可能性も考慮し、またこのようなチャンスは滅多に無いのでEOS-M6+広角7.5mmレンズによる光跡撮影とCOOLPIX P1000による拡大撮影(惑星はBENRO POLARISで追跡)で対応しました。その15分前にはISSが通過したのですが全く見えず1月18日(No.1121)のようにはなりませんでした。ISSの撮影は成果ゼロです。

CSSの木星通過は17:29:44、火星通過は17:30:54で横浜に於ける高度および距離は木星通過時が50°、479km、火星通過時が55°、484kmでした。最大高度では69°、411km(光度-2.0)。

1. CSSの光跡撮影

分単位で変化する明るさの中、撮影条件を繰り返しサーベイし、通過直前に撮影を開始。残念ながら明るく撮り過ぎてCSSをキレイに浮かび上がらせることはできませんでした。比較明処理すると光跡線は拡大表示しないと見えず。仕方なく一枚ずつ確認し明度等調整し編集したのが以下の画像です(最近あぶり出し表現が続くような)。

画像1にCSSの火星接近通過の部分になってしまいますが比較明処理して示します。木星接近通過を含めた惑星ダブル通過を一枚の中に表現することはできませんでした。しかし、木星接近通過のみ、および火星接近通過のみの画像は写っているのはわかります、これを備考欄に添付しておきます。目では見えませんでしたので良く軌跡として拾ってくれたと。他の恒星が写っていますね、わかる範囲で星座線を描いてみました。全て現実の空では明るすぎて惑星以外は見えていません。画像中心は天頂、上:北、右:西、下:南、左:東です。

画像1 CSSのダブル惑星接近通過(火星接近通過の場合のみ選択表示。木星接近通過は比較明処理で消えてしまいます) EOS-M6 7.5mm ISO-200 f/11 8秒+2秒間インターバル撮影。7枚画像の比較明処理。

2. CSS拡大撮影(木星接近通過)

木星接近通過のみです。火星接近通過はBENRO POLARISでCSSを追い抜いたのですがほんの少し画角から外してしまいました。COOLPIX P1000で焦点距離2,000mm相当で撮影。

4K動画から切り出したCSSの木星接近通過の様子を動画1に示します。等倍速で表示しています。木星の縞模様が見える条件に設定しましたが、この動画では明度、コントラストを強調表示しています。通過する様子は何度見ても面白い。

 

動画1 CSS 木星に接近通過 2023/01/20 17:29:44 COOLPIX P1000 4K ISO-800 2,000mm相当 f/8 1/400s/frame 4秒間等倍速

4K動画からCSSの写っているコマを取出し、比較明処理して画像2に示します。明度を上げた画像との二枚スライダー表示です。明るくした画像ではガリレオ衛星が見えています。またこれらの画像からCSS部分をAS!3で処理し画像3に示します。

画像2 CSSの木星接近通過 2023/01/20 17:29:44 22枚の比較明処理 処理後の画像を明度処理して2枚をスライダー表示

画像3 CSS 天和 Tiangong 4倍に拡大して編集 明度、アンシャープネス等画像調整


備考

撮影時のHeavens Above情報を画像A-1に示します。また、光跡撮影データのうち、木星および火星接近通過の一枚画像を画像A-2および画像A-3に示します。

画像A-1 Heavens-AboveによるCSS通過データ

画像A-2 CSSの木星接近通過時

画像A-3 CSSの火星接近通過時