No.1071に続き再びM31を撮影、2022/09/30 20:11~20:42。カメラはフルサイズからAPS-CサイズのEOSKissX7iに変更、それにASTRO LPR TYPE IIフィルターを使用。BENRO POLARISの今回の使用感は文末に加筆しておきます。

(撮影M31画像)

画像1はISO-1600、f/4、200mm(フルサイズ換算323mm)、45秒。6枚をDeepSkyStackerで処理、Light Framesのみ。45秒間の一枚画像内ではトレイルは無いようです。但し、連続して6枚を見るとわずがに天体が右側にずれていました。しかし画像はスタックしましたのでそのズレの影響は現れません。

今までの実績からPOLARISの精度ではなくスマホ・コンパスやキャリブレーション、アライメント時のわずかな誤差の影響が考えられますが原因は特定できていません。

画像1 M31アンドロメダ銀河 2022/09/30 20:11 EOSKissX7i+EF70-200mm4Lレンズ+LPRフィルター DSSでスタック処理

上記の画像では一般の写真に見られるようなM31の美しい姿は現れていません、空の明るさに負けて中心部しか目立ちません。M32やM110も位置を意識しないと見逃します。

次にISO-800、f/4、200mm(フルサイズ換算323mm)、60秒。9枚をDeepSkyStackerで処理した画像を示します。画像2はノイズ、背景が粗く見えていますが画像1よりは渦巻き銀河らしい姿が感じられます、光害の強い現地撮影でここまで写せたことは無かったと思います。

画像2 M31アンドロメダ銀河 2022/09/30 20:22 EOSKissX7i+EF70-200mm4Lレンズ+LPRフィルター DSSでスタック処理

(この日のBENRO POLARISに関する印象)

この日、POLARIS+AstroKitの本体レベルは0.1°以内なのに木星のアライメントでは中心から左にずれてしまいました。仕方なくスマホ画面内のジョイスティックで調整。しかしその後のM31の自動導入はほぼ中心に捉えられました。

水平レベル、コンパスキャリブレーションした直後なのに最初のアライメントの天体(木星)の方向とずれが大きい原因がわかりません。最初の目標天体に向ける段階では微調整と言うよりは大まかなガイド程度なのかと思ってしまいます。調整後の目標天体M31の自動導入は前記した通り自身の許容範囲内ですので問題はありませんでした。

キャリブレーション時にスマホのコンパスの精度を見ようと繰り返しチェックしたのですが数度以上のバラツキを示すこと(POLARISとは関係ないのですが)に気が付きました。また、POLARIS本体の向きにカメラが平行になっている保証がない事なども気になりました。これらについてはBENROに問い合わせたことがありますが、そのためのアライメント調整と言うことで、リキャリブレーション、リアライメントを繰り返して欲しい、との回答でした。

今回はM31の導入には問題ありませんでしたが画像編集時に8分~10分間追跡した最初と最後の画像を比較するとM31や他の恒星の位置はほんの少しずれていました。一枚撮影時にこれだけの時間露出させることは無いのですが、もし長時間の露出の場合では画像に影響が出てきます。今回は45秒、60秒間の露出でしたのでスタック処理すれば問題はありませんでしたが、固有の問題かどうか明らかにしておくことが大切かと。

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これまでにBENRO POLARISを使用して太陽、月、恒星、それと今回の銀河の撮影を行いました。未だに良い画像を得るための必要事項や使用方法を模索中です。他の道具と同様に繰り返し使用の過程でベストな方法が見つかっていくように思います。これからは性能を確認するというよりは使用時に気が付いた点があれば書きとどめて行こうと思います。