だいぶ前になりますが4月9日に上弦の月を青空の中で撮影していました。この日は秤動が同じ1月の満月と組み合わせてマジックムーン(満月と半月を合成した立体的イメージ写真)が実現するチャンスでありました。昼間の月は全体が青く撮れていますので満月と組み合わせるとどんな画像ができるのか楽しむことにしました。同日の上弦を少し過ぎた夜空を背景にした画像の場合はNo.1025に示したとおりです。

青い空の月の場合もなかなか見映えのある画像になりました。それを画像1に示します。また、この上弦と満月の画像が比較できるようにスライダー表示の画像を画像2に示します。秤動差がほとんどないことの確認がポイントです。

満月 月齢15.7 視直径30.1′ 輝面比1.00 2022/01/18 19:26撮影 撮影時測心秤動緯度-5.66° 測心秤動経度-2.97°
上弦 月齢8.0 視直径30.1′ 輝面比0.51 2022/04/09 16:01撮影 撮影時測心秤動緯度-5.50° 測心秤動経度-2.63°

測心距離はどちらも39.7万kmで同じです。画像合成の加重平均処理で上弦を80%、満月を20%とした画像です。RegiStax6でWavelet処理後、コントラスト、明度、ハイライト調整しています。二枚の画像の重ね合わせからできあがった画像を少しでも見映えを良くするため処理しただけです。月面LOVE&Xも見えています。

一枚の写真で地球照を利用して似たような画像が得られないか何回か試したことがありますが影の境界で明度のバランスがくずれ、光の当たっている領域がハレーションしたり、影の部分がぼんやりするだけでこのような月面画像を導き出せたことはありません。次回の撮影、合成チャンスは5月で、それ以後は11月になります。

画像1 満月と上弦の合成

画像2 満月と上弦の秤動による月面の向きの確認