月齢11.1によるしし座のη星(3.5等級)の掩蔽を観測しました。撮影に際して赤道儀で追尾しようかと思いましたが暗い星ではありませんし固定撮影で臨むことにしました。

本ブログで検索欄に「掩蔽」とすると下記のページに当たります。掩蔽 – photo.nomata。この中で過去の恒星の掩蔽観測はNo.936No.773以来で久しぶりです。

1. 掩蔽開始時と終了時の予想

ステラナビゲータで観測地の経度、緯度を入力し月と恒星(η)を拡大表示して秒単位で時刻を求めました。潜入は18:29:53、出現時刻は19:46:20と読み取り。

2. 撮影とその結果

潜入と出現時に4K動画で撮影。風が少しありましたがそのまま撮影、撮影時に時報をiPhoneスピーカーから流し同時録音。焦点距離は3,000×1.6倍=4,800mmですので直ぐにファインダーから外れてしまいますので微動雲台のつまみを適当に回しながら続行。潜入時の空はまだ青くη星がみえないかと思われましたが、モニターでくっきりと現れていました。

潜入と出現時の様子を動画1に示します。潜入時は消える瞬間前後、出現時は月面縁から離れるまで。動画に録音された時報と映像から潜入は18:29:42、出現時刻は19:46:30。予想時刻と+-10秒程度の誤差があります、潜入時刻はη星が消える時の一秒間隔の時報ですからかなり精度が高いと思いますが、出現時の方は時報は問題ないのですが映像のどこの時点で現れたかどうかを判断するのは小さい光る点ですので難しく10秒程度の誤差が考えられます。

動画1 しし座η星の掩蔽 潜入時2022/04/12 18:29~、出現時2022/04/12 19:45~

参考に掩蔽前後に撮影した恒星ηを画像1に示します。月の全体像はステラナビゲータによる作図で撮影した位置を示しています。

 

画像1 しし座η星の掩蔽 掩蔽前(左) 18:18撮影:ISO-200 f/8 4,800mm相当 1/30s 掩蔽後(右) 19:50撮影:ISO-100 f/8 12,000mm相当 1/50s