天の川180°展開パノラマ写真による銀河の姿 -なぜ天の川に見えるのか-

せっかく貴重な写真を30枚近くも撮ったし、その中から4枚を選んで南から北にわたる天の川を表現してみました。(2018/08/07の夜に宿泊したロイヤルホテル八ヶ岳で撮った写真です。当日夕方までは台風の影響で雲が多かったのですが、夜になって見事な星空を見せてくれました。)


1.はじめに
我々の銀河系は棒渦巻銀河の円盤。渦は台風の渦巻雲のあの感じ。円盤と言ってもCDと言うよりは真ん中が少し厚みがあって、例えて言うのならどら焼きか目玉焼き。真ん中が厚いのは星がたくさん集まっているという事のようだ。撮った写真には白く輝く帯に写っていて、それが円盤のどのような姿を捉えているのか理解しようとしました。

2.天の川の写真の合成
屋上の天文台で見た火星、星々、天の川の美しさは忘れられない。肉眼で真っ暗な空の中に二本の薄い、白い帯。南の地平線からたどって真上を見てもまだ続いている。さらにそのまま眺めようと体を回転しながら反対方向を見ます、北の空にまだ続いていました。何度か南、北の眺めを繰り返しいると頭の中に180°の空のイメージが出来上がりました。

そのイメージを写真で再現したいと思い、30枚の写真の中から4枚の写真を選び、つなぎ合わせると南西、真上、北東までの一枚の180°天の川の写真が出来ることがわかりました。レンズ収差は大した問題ではなく、試行錯誤、写真を回転、トリミングして、となり通しの写真のつなぎ目をフリーハンドで合わせました。

これで天の川の真っ直ぐな写真が生まれました。星々の位置で少しズレている所があるかも知れないがそこは気にしないでおきましょう。右側(南方向_少し西寄り)におぼろ状の火星、左側にアンドロメダ銀河(北方向_少し東寄り)、頭上は夏の大三角、ベガが特に明るく写っています。

3. 天の川の写真は銀河系の何を見ているのだろう
銀河系は円盤、我々は円盤の中に居る。銀河系のどこに我々がいるかは以下の参考図に示されています。https://www.eso.org/public/images/eso1339e/

This detailed annotated artist’s impression shows the structure of the Milky Way, including the location of the spiral arms and other components such as the bulge. This version of the image has been updated to include the most recent mapping of the shape of the central bulge deduced from survey data from ESO’s VISTA telescope at the Paranal Observatory.

Sunの位置が我々、0°が銀河の中心方向で180°が裏です。90°と270°は横見方向。これから、太陽の所で体を一回転すると360°パノラマで天の川を見ていることが想像できます。天の川の幅は渦巻銀河の厚さであり、天の川の厚さから外れた方向には星は無いようだ(最初の写真で天の川の上下に見えているたくさんの星は太陽系に近い恒星、星雲とのこと)。

上の渦巻状の写真は真上から見た銀河系であり、我々の太陽系は円盤の中にあり、しかも銀河系円盤の厚さの範囲内に位置していると言われています。この円盤上の中から見ていることを想像すると、写真に写っている長い天の川はその円盤の横を見渡していることになります。

我々の銀河と似たような種類の銀河を横から見た例としてNGC4565がありました。以下の写真です。大きさは我々の銀河の倍ほどあるそうですが構造は同じ。写真は何千万光年(我々の銀河の直径は10万光年程度)外から見渡しているのですが、この銀河の内側に入り込んで横方向に360°見ていることを想像してみると、それが天の川。

我々の銀河に話を戻します。銀河の中心はさそり座(アルタイル)の方向とのこと。おおよその銀河系の方向を写真上に追記しました。

写真の右側の中心方向は白さが濃く(星がたくさんある)、またやや厚みがあるように見える。天頂の90°方向(または270°方向か)は2本の銀河渦腕があるのでしょうか、少し濃い。反対側の180°方向は銀河系の外側を見ていることに相当し、1本の渦腕のためか白さが薄い(星が少ない)。

天の川の中に平行に黒く見えているのはダークレーンと呼ぶそうで暗黒星雲、チリ等で銀河の光を遮って黒く見えているそうだ。もし遮られなければ、一本の川のようでありかなりの明るさで見えるのでしょうか。もっと突っ込んで調べてみるとダークレーンは銀河の渦腕のできる理由、星の一生につながる考察に関連するようですが、ここまでにしておきます。

今回撮影した写真を見ると0°より右側、180°よりも左側は天の川は地面の下になる。天体シミュレーターのステラナビゲータで天の川を追跡すると当日の夜が明けるまでに南の天の川は地面の下に沈み(銀河中心が沈んで見えなくなる)、北の空は天の川が昇ってくる様子(銀河の中心と反対方向がもっと見えてくる)がわかります。

夜の星の見える時間帯、季節によって天の川銀河の見える部分がどんどん変わります。夏は銀河の中心部、冬は外側部分が天の川として見えることになりそうです。銀河の外側は星が少なさそうなので天の川の輝きは小さい。天の川を見るのなら夏が良い、この写真撮影の時が絶好のチャンスということかもしれません。

写真で天の川の上下に見えている白い点々は星ですが、二次元の世界で見てしまうと天の川と同じような距離にあると思ってしまいます。調べてみるとこれらは太陽系の近くにある(とは言ってもとんでもない距離なのだろう)恒星だそうです。それでもこんなにもあるのかと驚いてしまいます。

4. 天の川銀河の写真とシミュレーターとの比較
ステラナビゲータで銀河座標で表示して得られた天の川の画像と比較してみました。

また、東西南北の星図上に天の川を表示すると以下のとおりです。写真で撮られた範囲を黄色の枠で示しました。北東から南西にかけて撮られたことがわかるでしょう。

この反対の天の川は撮影時点で地面の下にあるので見えないが、もし撮れれば360°のパノラマ写真が描けます。調べたら、ありました。1200枚もの写真を数か月かけて撮影して作成した天の川360°写真。

http://sergebrunier.com/gallerie/pleinciel/index-eng.html

このページはすごい、360°天の川銀河の位置のどこでも拡大して見ることができます。それと

https://wired.jp/2009/09/15/天の川全景の動画とパノラマ/です。

この写真に今回撮った写真と大きさを合わせて並べてみました。

この比較から左側の180°部分を撮っていることに間違いないことを確認しました。

5. まとめ

・自身にとって写真で初めて天の川を捉えました。と言うか、天の川を見たことがないので小学生の気分になりました。
・4枚の方向が異なる写真を合体させると一枚の180°写真ができあがりました。
・この写真はシミュレーションソフトや現実の360°パノラマ写真で描く天の川と同じでした。
・天の川が、棒渦巻銀河系のどこを見せてくれているのだろうかとの問いに対して何となく理解したつもり。だが、近くにある星、星雲、それにあのじゃまなダークレーン等、考えれば考えるほど、わからないことも出てきて眠れなくなりそう。

と言うことで、ここで記述した内容は少しばかりの情報を調べたりして理解したつもりで書いただけですので、正確性は保証しません(自身が撮影した写真は正確です)。

眠れない夜にならないように、ぜひ、ご自身で調査、考察、想像豊かにされることを望みます。ありがとうございました。おやすみなさい。