COOLPIX P900の場合です。カメラにとっては微小天体である土星や火星の動画は明るく撮れ過ぎて無理とあきらめかけていた時がありました。その解決方法としてAE-L機能の利用について記載しておきます。気軽に楽しめるはずです。

AE-L機能についてビデオモードでの記載が少なく説明書のみでは気がつかないかも知れません。ポイントは録画開始前ではなく録画中に設定すること。なお、これ以外の方法については知り得ていません。

解決前後の比較結果を以下に示します。動画からRegiStaxで静止画処理、ビデオからなので1920X1080ピクセルのままにしています。全て同倍率です。%e5%9c%9f%e6%98%9f%e7%81%ab%e6%98%9f%e6%af%94%e8%bc%83%e3%83%99%e3%82%b9%e3%83%88r1

(撮影方法)

このカメラのビデオモードでは録画中に「絞り固定:AE-Lのon,off」の設定ができます。しかし、どちらを選択しても録画開始時は自動絞りになってしまうようです。

一般の使用範囲ではこれで良いのですが、天体、特に惑星のような微小な光の像では、カメラが自動的に絞りを開いて惑星だけが異常に明るくなりすぎて、白く、ギラギラして映ってしまいます。

ここで、録画中にレンズにLEDポケットライトを向け、その明るさに応答した絞りになった時点で「絞り固定」スイッチに切り替える。この方法で最適な絞り映像を実現させました。白いギラギラは消えて、色合いも良く映るようになりました。

LEDの明るさによって絞りがどのように変化するかは確認していません。使用したLEDライトはクリップ付きのPanasonic BF-AF20。

撮影例として土星の動画を載せます。土星が左から右に動いているのはカメラ固定で日周運動のためです。

動画の最初の部分に映し出した静止画像は最大倍率の部分の動画十数秒間から388枚の静止画を取りだしRegiStaxでコンポジットした画像です。大気揺らぎと微小振動によるものか、ギラギラ、ビンビン、フニャフニャしていますが、これを平均化処理するとまあまあの形を示す土星になります。

倍率の大きい惑星等の写真では昔と違って一枚の写真に頼るのではなくて動画からこのようにしてデジタル処理された一枚(にした)写真が多いです。

以下は自動で撮った場合のビデオです。明るすぎてギラギラしています。