ポラリエU+PCBU-EQセット(テレㇲコ工作工房から購入)に極軸望遠鏡(VIXENから購入、但し、ポラリエ用の改造サービス受け)/アングルファインダー(AMAZONから購入)、それにiPhone/Astro Locatorアプリを使用してオリオン大星雲の撮影を通した印象を書きとめておきます。特にNo.683で記述してきたとおりアングルファインダーの使用感です。なお、ポラリエU+PCBU-EQの使用方法は既知を前提とします。

道具一式を図1に示します。撮影当日時の組合せと同じです。三脚はもっと高くしていました。カメラはOLYMPUS Stylus 1sにしたため軽量なのでPCBU-EQにはウェイトシャフトは取付けませんでした。シャッターはiPhoneから操作、とても便利。使用方法の良否確認は焦点距離300mm相当の撮影で星を点状のみに捉えていれば良しとしました。

図1 撮影道具一式

図2から図4に撮影結果を示します。人工光害真っただ中の撮影ですので写りの良し悪しではなくて赤道儀として機能しているか確認したのみです。実際の写真は露出過多で全体が白っぽく、このためソフトで画像を調整しています。

図2 オリオン大星雲(300mm焦点距離、30秒間露出、ポラリエU スイッチ オン)

図3 プレアデス星団(300mm焦点距離、30秒間露出、ポラリエU スイッチ オン)

図4 オリオン座の赤道儀オン、オフの差(1分間露出)

図4のような写真は焦点距離300mmの撮影で比較すれば良かったのですが撮り忘れ。しかし、図2及び図3のように300mmの写真で30秒間露出しても点状になっています。極軸が合っていなければ像は流れますので結果として極軸合わせに不都合が無かったと言えるのではと思われます。これらを通して気になった点を整理しておきます。

(1)極軸望遠鏡にアングルファインダーを取付ける前
iPhoneの左右の傾きゼロ調整(AstroLocator使用の際の方位角度の誤差要因を除去するためのレベル調整、水平状態に)には三脚の自由雲台の所で一度上下方向を水平にして実施したのですが、愚かなことにその場で気が付いて、自由雲台ですので元に戻す際に狂ってしまいますね。今回は左右への傾きが生じないように注意して戻しただけになりましたが、結果として良かった。やはり水平レベル合わせは三脚側で事前に水準器を見ながら水平にして実施しておけば良いのでしょう。ポーラメーターの使用でも良いのですし、もっと良い方法が見つかれば別ですが当面はこれらの組合せで臨機応変に対応しようと思いました。

(2)アングルファインダーの取付け
事前に極軸望遠鏡のピントを合わせておけばその後で特に問題はありませんでした。北斗七星とカシオペア座の回転方向の設定は極軸望遠鏡内のパターンとスイッチつまみの位置を覚えておいて取付け、その後はその位置関係を確認さえすれば問題なさそうです(かなりラフと思うのですが結構実用に耐えられます)。途中ズレても自在バンドを緩め極軸望遠鏡だけを回転すれば調整できます。これで北極星を極軸微動雲台でパターン合わせに追い込むだけでした。立ったままの操作で楽でした。それでも、もしアングルファインダーを極軸望遠鏡に嵌めるだけで立ったままの姿勢で基本的な極軸望遠鏡の操作ができる製品がありましたら使用したいものです。(PF-LIIの例が無いようです)

(3)三恒星パターンの一致
北極星以外は見えませんでしたので断念しました。しかし、旧ポラリエに使用していた時も北極星以外は合わせたことがありません。これについては光害のない空の時に挑戦したいと思います。元々アングルファインダーを通して北極星以外は拡大率1.25倍のため一つの恒星しか見えません。しかし、写真のとおり、また従来の200mm~300mmの撮影時に正確性を気にしたことはありませんので、北斗七星とカシオペア座の向きを一致させた上で北極星の位置を合わせれば良いように思われます。三恒星パターンを合わせた時との画質の差を知らない者の妥協点かも知れません。

(4)Astro Locatorについて
このアプリ、天体写真撮る人向けのものになっていて良いです。表示も赤色ですので問題ありません。また、取付け角度が35°斜めに(ポラリエUの上面に平行)なりますので立った姿勢で見やすいものでした。今回はついでにカメラのシャッターも使用できましたので画面のシャッターボタンを触れるだけで便利でした。

以上のとおり、スマートな使い方ではないのですが、全て立姿勢のまま=楽な姿勢で臨めました。三脚がもっと低く体勢が無理な場合でも膝をつきさえすれば上から覗き込めて調整できるのであれば良しとしたい。