2023/02/05の満月および2023/04/28の上弦の月の二枚の画像で立体感のあるマジックムーンの描写が実現しました。マジックムーンとは以前から示してきたように異なる月相、例えば満月と半月の組み合わせ合成画像です。この場合、秤動が同じ組合せが理想的です。秤動が異なる画像では月面のずれが見えてしまう場合があるからです。なお、今までのマジックムーンに関連した記事は特集、参考記事に載せています。

今回の二枚の画像は以下のとおりです。距離はどちらも約40万kmです。厳密には満月の日も上弦の日も半日程度ずれていますが、ここでは満月と上弦の月と表現します。(04/27も撮影したのですが満月時の秤動に近い方の04/28の画像を採用)

2023/02/05 20:58 月齢14.6 (満月は02/06 03:29) 秤動は測心経度、緯度でそれぞれ-0.3°、-6.3°(地心では-0.9°、-6.5°)
2023/04/28 20:22 月齢8.3 (上弦は04/28 06:20)  秤動は測心経度、緯度でそれぞれ-0.4°、-6.4°(地心では-0.2°、-6.7°)

動画1に二枚の画像を加重平均処理で重み付けを0~100%と連続的に変化させた場合の合成画像を示します。動画を拡大し見ても月面のずれは見えていません。また、緯度秤動がマイナス側に大きく、北側方向に回転し南極側が良く見える月面画像であることが特徴です。重み付けがほぼイーブンな場合にはクレーターの陰影が目立ち月面文字LOVE & Xも見えます。

動画1 2023/02/05月齢14.6と2023/04/28 月齢8.3の合成画像(重み付けを変化させた場合)

満月と上弦の画像の重み付けを35%対65%にした場合の合成画像を画像1に示します。少し暗めの画像でしたので明るくしました。どちらもクッキリな画像ではなかったのですが、相乗効果で少し良くなった印象。地球照とは異なる面白い画像です。

(追記:2023/05/13)上記特集、参考記事の文中に記した「ほんのり光房」様が、同時期の満月と上弦の組み合わせ例として記事”マジックムーンによる月面表現“(2023/05/02)に画像が掲載されていましたので紹介します。

5月に組み合わせチャンスが訪れますがそれを逃すと次は年末になります。今回も貴重な記録になりました。

画像1 2023/02/05月齢14.6と2023/04/28 月齢8.3の合成画像(35% vs 65%の重み付け)