2023/04/03の夕方、ISSが月齢12.7に接近(離角4.3°)通過することを確認していましたので、COOLPIX P1000によるISS拡大撮影とは別に焦点距離200mmで月接近通過の様子を撮影することにしました。撮影はBENRO POLARISにEOS-M6を載せて月を追尾させながら行いました。撮影は横浜です。

結果として2K動画を19:06:58から19:11:03の約4分間を撮影。200mmの写野内では数秒程度で通過しますので編集時に映っている部分のみを切り出しました。なお、P1000による拡大撮影の方はNo.1156に示したとおりです。動画の例のみでしたのでここではその動画からフレームを取出し静止画としてまとめました。以下にそれぞれの結果を示します。

1. ISSの月接近通過

動画1にISSが月の右側を通過する映像を示します。200mmのレンズですのでISSは光る点にしか映りません。等倍速ですので見たままの映像になります。月の地形が見えるような条件にしましたので逆にISSは暗く映ります。右側に上から下に向かって移動する光る点が見えると思います、それがISS通過です。眼視ではISSはもっと明るく見えていたように思います。画面真下が地平線方向になります。なお、ISS通過後、P1000で月を撮っておきましたので参考に備考欄にその画像を載せておきます。

動画としてISSが点ですので単純かも知れませんが、あらかじめ調べて通過する位置を考えながら画角内のイメージ作りと通過する時刻を確認し、結果としてそのとおり映せると満足感が得られます。予想どおりに映せたことがうれしく、楽しいのです。

二年前のNo.834のようにLunar Transit狙いですと楽しさも倍加しますが、そうでなくても予想どおりに映せる楽しさは似たようなものです。今回の月面通過を撮りたいのであればISS TRANSIT FINDERによれば小田原市まで出かける必要がありますがそこまでの実行には至りません。

動画1 月齢12.7の隣を通過するISS 2023/04/03 ISSの見え始めが19:09:51、終わりが19:09:57 横浜上空

この動画から全コマを取出しSiriusComp64で比較明処理した結果を画像1に示します。ISS部分を拡大してみましたがただの楕円を横にした像でした、でも丸でないところが良い。

画像1 月齢12.7の隣を通過するISSの光跡

2. ISS拡大撮影

No.1156に示した動画から編集した静止画像を画像2に示します。4倍に拡大しています。それぞれのISS画像は約1秒間単位内のフレーム(コマ)数として9枚から25枚の比較的良い画像のみを選択グループ化し、AutoStakkert!3でスタック処理した画像です。今回はシングルフレームとして選んでも良かったのですが手間のかかる方を採用しました。スタック画像を10枚選び、並べて貼り付けたのが画像2です。

画像2 ISS拡大撮影 2023/04/03 19:09頃

上段は北西から昇ってきたISSが最高高度(78°)を目指して左から右へと進む様子です、途中、撮影方位を東に向けましたので下段では最高高度から下降に転じ南東へと遠ざかる様子になります。目立つのはラジエータ、広げていますので大きく写ってしまいます。電池パドルは太陽光との角度のためか薄く写っていますが対称的で美しい。”きぼう”も見えています、その先にある白い点はドラゴンCR-27(補給機)と思われます。03月16日の天頂通過時にはドッキング1時間半前のランデブーとして捉えたドラゴンです。この様子の記事は No.1152に示したとおりです。


備考

ISS通過後に撮った月齢12.7です。画像1に示した月の画像の模様と同じですね。このような月の大きさに対応した通過するISSが写ると良いのですが、将来きっとチャンスがあると思いますので待ちます。

画像A-1 月齢12.7 2023/04/03 19:25 COOLPIX P1000 ISO-100 f/8 2,000mm相当 1/160秒