金星と天王星の見かけ接近撮影の後、月齢8.7を観望、撮影を楽しみました。

今週の03/28および03/29の月は個人的にはMagicMoon用*の材料となる上弦の月でしたが、曇り空で撮影することはできませんでした。(上弦の月狙いは月面文字”LOVE&X”との重なる組み合わせとなり、立体感のある月として表現できてお気に入りなのです。数少ないチャンスなのに残念でした。)

*:満月と半月の秤動が一致する合成画像。→ “特集、参考“記事参照

上弦は過ぎてしまいましたが、それとは別の楽しみ、緯度秤動がマイナス側に大きい時でしたので月の南極側が見られると期待しました。BENRO POLARISにCOOLPIX P1000を載せて追尾しながらの撮影。この時間帯では月はかなり高く天頂近くで首を大きく曲げ見上げるのが大変でしたが、P1000のモニターで楽に観察できました。

画像1に月齢8.7を示します。縦軸を南北に合わせて表示しています。月面中央上側に暗く見える晴れの海、その左の雨の海の境界の下に”C”文字状(時計回りに45°回転)に見える領域があります。この”C”の下先端が月の中心位置にほぼ当たるのですが、いつもこの”C”の字を見て月面中心からの大まかなズレを掴んでいます。当日の月ではかなり北方向に回転し中心が上に大きくズレている様子がわかります。ステラナビゲータ12の地心表示で経度、緯度の各秤動は2.1°と-6.7°です。この緯度秤動により月の南側の縁が良く見えるようになります。

画像1 月齢8.7  2023/03/30 20:02 COOLPIX P1000 ISO-100 f/8 539mm(3,000mm相当) 1/100秒

画像1で月面文字LOVE & Xは夜が明けてしまい陽が当たっていますが意識すると見えてくるのが不思議です。

南極側および北側にもきれいな姿を見せていましたのでそれぞれ拡大して撮影。画像2に南極側、画像3に北極側を示します。

画像2 月齢8.7の南極側拡大 2023/03/30 20:06 ISO-100 f/8 1078mm(6,000mm相当) 1/100秒

これだけ拡大してしまうと月面文字X、O、Lの場所は探し出せますがEは難しそう。直線の壁が画像上端に夜明けにかかって見えています。肝心な南極付近(下端影と陽当たりの境界が南極)では、その周辺領域にスコット、アムンセンがくっきりと見えています。

画像3 月齢8.7の北極側拡大 2023/03/30 20:07 ISO-100 f/8 1078mm(6,000mm相当) 1/100秒

中央のやや上にプラトー、その隣にアルプス谷、山脈、その右端にアリストテレス、中央やや下に大きなアルキメデス、ハドレー谷、アポロ15号着陸点、アペニン山脈等、コントラスト、陰影がとてもキレイに撮れました。