POLARISの追尾は本ブログ内でも示してきたようにそれなりの性能が期待できます(個人の満足度で異なります)。ここではコンパスキャリブレーション、天体のアライメントを設定した後、観望/撮影対象とする目標天体の自動導入がどの程度の精度なのか、一つの例に過ぎませんが示してみることにしました。(No.1083の見えない天体の導入例はこの性能精度を利用したものです)

カメラはCOOLPIX P1000で焦点距離を3,000mm(月がフルディスクとして収まらない画角です)にしたまま、木星→月→木星→土星→月→木星の5ステップを連続で4K動画で記録しました。焦点距離1,000mm以下では問題ない事がわかっていましたので少し長い焦点距離にしました。

図1に今回テストした導入ステップの順をステラナビゲータ11の星空で示します。そのステップで4K動画で105秒間連続で撮影。ここではファイル容量から縮小しかつ再生速度を約5倍速、20秒間の映像に縮めて動画1に示します。土星の導入が少しずれたように思いましたが焦点距離3,000mmですので個人的にはその程度かと。なお、POLARISはGoTo機能により目標天体導入直後はわずかな時間ですが天体を追尾していません(動画1でも導入直後の天体がトレイルしているのがわかります)。目標天体導入後、数秒で右上に一度大きくずれて(調整?)写野から消えますがすぐ戻り問題ありません。この理由は三軸のギアバックラッシュとの関係、追尾直前の天体座標の補正とか想像しましたが理解できていません(BENROに確認要 → 先日丁寧な回答があり一般的な問題解決のお話ですのでそのまま載せておきます。個人的には予想通り、ギアバックラッシュの回避策でありBENROは精度を高めているという解釈です。There is a reduction device inside Polaris motor, and there is backlash inside the transmission gear. Because of this, in the one-way drive process, when the input shaft began to reverse, and the output shaft to follow the reverse, there will be lag of the output shaft in the corner. Then the movement is to ensure that when moving and tracking, the motor drive direction is the same direction. 2022/11/17追記)。

今までの道具では天体導入はマニュアル(機材をハンドリングしながら)で一度広角側に変更して写野に捉えた後、2,000mm以上の焦点距離にしていました。見にくい天体ですとさらに一度試写する等、設定に時間を費やしていましたが、POLARISの利用により大幅に改善しています。

図1 BENRO POLARISによる天体導入性能の確認テストの例 StellaNavi11によります 2022/11/05に実施

動画1 BENRO POLARISにCOOLPIX P1000を載せて画像1に示す天体の自動導入のテスト結果