2022/08/05 18:38日没前の明るい空のISS天頂通過を狙ったのですが雲ばかりで挑戦ならず。撮ろうとしたのは以下の経緯もあり、かつ撮影に成功した例が報告されていましたので少し整理しました。

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No.1050の文末、コメント欄にサイエンス@千葉さんが指摘されているとおり日没直前の明るい空のISSの拡大撮影に成功され、その写真が掲載されました。さっそく、その投稿先の掲示板にある写真を拝見させていただきました。情報確認をしているわけではないのですが、きっと、昨日のISS拡大写真の撮影に成功された方は日本で唯一人しかいないと思うのです(後日他の例がありましたら追記しておきます)。すごいことです。

一般にISSは日の出前および日没後の薄明が消え暗い空の時間帯に見やすいものです。このため観測予測サイトでは明るい空の場合は観測対象とせず暗い空になった時間帯が推奨されます。ここで明るい空とは日中ばかりでなく薄明時間帯(ここでは約30分と仮定)も含まれます。

ところが薄明時間帯でも見える場合があることを教えていただいたのがサイエンス@千葉さんです。最近ではさらに進んで日中の太陽がまだ空に出ている明るい空でも拡大撮影に成功されている例が上記と同様の掲示板の中でクロロ・ルシルフル(団長)さんによって報告されています。ここまで開発されていることが素晴らしい。

Automaticに予想ISS軌道のとおり追跡システムがあっても良さそうですが目にしたことはありません(だいぶ前にTV局だったか開発製作されたような記憶があります。しかし数千万円だったか、かなり高価?。その後関連情報は目にしませんので確かではありません)。[追記:少しネットで調べたのですが、昼間の拡大撮影を挑戦している方はいらっしゃいますね。それなのにあまり見かける例が少ないのはなぜでしょう。自身の単なる調査不足。二、三例を見かけましたが全て全自動ではなくやはり手動(半自動?)に近いものでした。例えば予め最大到達高度に赤道儀望遠鏡の極軸を向けておいて見えた瞬間からマニュアルで追跡する方法でした。いずれにせよ見えない事には写せない。軌道要素TLEデータを入力してという方法も見かけましたが全自動なのでしょうか良くわかりませんでした。]

個人的な現時点の道具を前提とすると撮影の可否は明るい空でISSが視認できるかどうかです。日中は明るすぎて無理ですが薄明時間帯であれば少し暗くなり挑戦する価値があります。それでも個人的な実績では失敗例が多い。今までの成功例を以下のとおりです。いずれも観測予測サイトでは観測対象として推奨されていません。Heavens-Aboveで「可視のみ」の選択ではなく「全て」を選択すれば知ることができます。

No.738 & No.739 2020/08/06 19:01撮影開始 (18:41日没)  日没20分後
No.866               2021/03/20 18:09撮影開始 (17:53日没)  日没16分後

昨日の空をStellaNavigator11でシミュレーションしてみました。上記成功例の空と昨日の空で何か相違点が現れているか確認したかったのです。その結果を画像1に示します。横浜上空を前提として昼光表示指定にし描画したものです。ISSの明るさは意図的に強くして表示されるようにしています。上段は上記撮影開始時刻を視認できたと仮定した時点の空の明るさの状態、下段は日没後90分後の空です。右端の昨日の空は挑戦も出来ませんでしたが、もし高度30°で視認できたと仮定した場合の画像で、太陽がまだ地平線にあります。

過去に成功した例では日没後ですが昨日の空はさらに明るい空でISSを視認するのは至難の業です。

画像からはまだ実績が少なく結論めいたことは得られませんが、暗い空ばかりでなくまだ薄明の残る時間帯では見えることは事実です。ましてや日中、日没前に写せる技術はすごいものです。

画像1 日没前後のISS拡大撮影 成功例と昨日のStellaNavigator11による空のシミュレーション

参考に以前に成功例(日没前ではなく日没後のみしかありません)のあった画像を以下に再度載せておきます。記憶ではまだ青空の中での撮影で光る白い点が見えた時は夢中になったのを覚えています。背景はいずれも明るさを強調しても黒いままでシャッター速度が影響していると思われます。

画像2 2020/08/06 日没直後の撮影例

画像3 2021/03/20 日没直後の例

上記のとおり日没後約16分以上の経過後で実績例がありますがさらに積み上げる必要があります。個人的には日没直前は無理としても可能な限り日没時に近い成功例を体験したいものです。

ISSを裸眼で見つけられないと写すことは不可能です。視認できればP1000でも照準器で追跡できるので拡大撮影が可能です。見えない事にはどうしようもありません。サイエンス@千葉さんの上記投稿の三枚目の望遠鏡の写真をご覧になっていただきたいのですが、ドットサイトを3倍の倍率にして視認し追跡していることです。この例からP1000の場合も照準器のレティクルを含めてISSをレンズで倍率を上げて見ることができれば可能と思われます。完成品としてそのような照準器が無いか探したことがありますが見つかっていません。自作が必要ですが実現していません。