高度84°、最短距離419km、-3.9等級のISS通過条件が実現(Heavens-Aboveによります)。真夏のとても暑い夜、拡大撮影と光跡撮影に臨みました。なお、参考の第3項に当日のISSの構成(NASAページから)とHeavens-Aboveによる日本列島通過コースの画像を添付しておきます。

1. 拡大撮影

月齢3.7を頼りにピント調整しようと思いましたが、灰色で消されたような西空。目が空の明るさに慣れていませんでしたので遠い雲も識別できず絵画で言えば月が暗く消された感じ。仕方なくP1000まかせに。このような明るいISSだとISO-400にして1/500sにして少しキレイな映像を期待したのですが何となく薄い雲が見えていましたのでISO-800と1/800sにしました。

まず、4K動画をPIPPでセンターリング、クロップ処理し、再動画化して動画1に示します。前半は北西から天頂に向かうISSで先頭部分にはドラゴン(カーゴ用です)、きぼう、トラス、ラジエーター、それに後部のソユーズが見えていますが太陽電池のパネルが見えません。画像を強く明るさを調整すると白くパネルらしき形状が浮かび上がるのですが太陽光の直接の反射では無いように思います。途中、カメラを反対方向に回転させ後半は南東に下る様子を捉えました。この時はかなりクッキリしたパネルが見える様になりました、通過コースがかなり近くても撮影地よりも西側を通過するまでは逆光、天頂通過後は南寄りになりますので順光で見える様になったと考えられます。

動画1 ISS拡大撮影 2022/08/01 20:16~20:17 COOLPIX P1000 4K ISO-800 f/8 539mm(3,000mm相当) 1/800秒 4K映像から編集

この動画から取り出したフレームとして、天頂到達前、天頂通過後、それに地球の影に入り見えなくなる直前を選びました。まとめて画像1に示します。

画像1 ISSの拡大撮影 2022/08/01 20:16~20:17 COOLPIX P1000 4K ISO-800 f/8 539mm(3,000mm相当) 1/800秒 4K映像から編集

左側の画像が北西から昇ってきている時点、中央が天頂通過後、南東側に向かう時点、180°反転していますので進行方向は逆になります。あとで示すISSの当日の構成を画像3に示しますが、クルー4ドラゴンが地球と反対の宇宙側にドッキングしていますが撮影地点からは見えませんので写っていません。しかし、進行方向先頭にカーゴドラゴンや隣接する実験棟きぼう、それにソユーズ見えています。天頂通過はクッキリとソーラーパネルが写せますので面白いです。地球の影に入る直前も暗くなるのが見えました。

2. ISS光跡撮影

拡大撮影とは別に三脚にEOS-M6を載せて、天頂方向、真上に向けました。レンズは7.5mmの魚眼レンズです。

画像2 ISS光跡撮影 2022/08/01 20:13~20:19 EOS-M6+7.5mm ISO-400 F8 10秒露光+2秒インターバル

ISSが写っているのは20:13:38~20:17:02の間ですが恒星を見やすいように20:13:14~20:19:50の写真34枚をSiriusComp64で比較明処理した画像にしています。処理後画像はホワイトバランス、コントラスト、明るさは調整しています。画像中には天頂マーク、東西南北をStellaNavigator11を参考にしてフリーハンドで付記しました。北西の雲が途切れる辺りから姿を見せ始め、南東に地球の影にすうーっと消えるまでが捉えられています。

左側に孤を描いている軌跡は飛行機です。夏の大三角、特に北斗七星はすぐわかりますね。

3. 参考(ISSの構成及び日本列島通過コース等)

画像3に撮影時点のISSの組み合わせ構成を示します。NASAのページからの引用です。画像4にHeavens-Aboveによる通過コースを参考に示します。それと画像5に当日の横浜上空における星空をISSの通過コースと共に示します。

画像3 ISSの構成

画像4 ISSの日本列島通過コース 2022/08/01 Heavens-Aboveによります

画像5 StellaNavigator11による横浜上空における星空、ISS通過コース